緑区高田町
加藤 遼亮
地域の人たちに支えられながら成長する若き新規就農者。
契約栽培で1日100kgの 小松菜を出荷。
加藤さんが就農したのは、2011年3月11日。東日本大震災の起こった日です。その日、記念すべき最初のハウ スが完成し、晴れて独立をしました。 工業系の大学在学中に就農を決意したという加藤さんですが、農業との出会いは偶然でした。「何か仕事を興したかったけれど、何をしていいかわからずに、いろいろな人に話を聞いていたとき、ふと出会った農家のおばあちゃんから後継者難や耕作放棄地など、農業の抱える課題を聞いて、これだ!農業だ!と ひらめいたんです。」
その後、すぐに近くのJAに行き、「給料はいらないから研修先を紹介してくれ」と直談判。たまたまそこに居合わせた農家を紹介してもらい、1年間の農業研修を経て就農に至りました。
現在は1haの畑で小松菜を栽培しています。出荷先は契約している大手流通企業。毎日約100kgを出荷しています。「毎日、コンスタントに出荷するために、計画的に種をまき、生育途中の様子を見守りながら、収穫をするんです。1日のずれが手遅れになってしまうこともありますので気を抜けないですよ」。リスク分散のために3箇所に分けて栽培するなどの工夫もしているとのこと。1箇所だけでは仮に病気が発生した場合、すべての小松菜に伝染する心配があるので、それを避けるためです。おかげで、今まで出荷の遅れもなく安定した経営が続いています。
小松菜は鮮度が命。新鮮な おいしさを楽しんでください。
小松菜は他にも学校給食や直売所にも出荷しています。その縁で、毎年、市内の小学校で食育の授業を行っているそうです。加藤さんの農業は“小松菜”を入り口にいろいろな発展を見せています。
「振り返ると、地域の方に助けられていますね。畑を快く貸してくれているのも、小松菜の取引先を紹介してくれたのも地域の方です。新規就農でやってこられたのもこの地域をだ からこそ。支えてくれている皆さんの おかげで、なんとかここまで来たなと思いますよ」
『千葉市つくたべプロジェクト』に出荷するのももちろん、小松菜です。 有機質肥料をたっぷり使い、大きく、肉厚に育てた小松菜は1株100g程度あります。これから寒くなってくると、一層甘みがのっておいしくなるそうです。
「千葉市の飲食店で使ってもらうメリットは鮮度。葉物は鮮度が命なんです。新鮮なものは食感や歯ごたえ が全然違います。収穫したばかりのものをお届けしますので、その鮮度を生かしてもらえたら」と加藤さん。 今後は栽培作物や、取引先を増やし、もっと消費者の反応を直接聞けるような経営にも取り組んでいきたいとのこと。『千葉市つくたべプロジェクト』を通じて、飲食店とつながることで、そのきっかけになるのではと期待を寄せています。